肛門周囲膿瘍は、肛門の近くに膿瘍をつくる病気です。原因としては痔瘻の他に皮膚疾患である化膿性アテロームや膿皮症が考えられます。
浅いところにできる膿瘍は痛み強く、深いところにできる膿瘍は腰に痛みが出る場合があります。
皮膚が破れて膿が自然に出たり、病院で皮膚を切開して膿を出したりすることで肛門周囲膿瘍は改善します。
もともと痛みが小さく、膿の量が少ない場合や自然に膿が出ている場合は飲み薬(抗菌薬)で経過を見ます。
自然に膿が出た場合、黄色で膿と分かることもありますが、血が混ざり、ただの出血と間違えてしまうこともあります。
いぼ痔の奥の血管をしばって、いぼ痔を切除する方法です。 腰椎麻酔を行うため、手術中の痛みはありません。(稀に頭痛が起きますが後遺症は残りません)
入院が必要となり、切除術では入院期間を2週間としています。妊娠・授乳中には原則手術はできません。
適応に関しては診察時の所見によって異なりますので診察時にご相談ください。
痔瘻による肛門周囲膿瘍は、肛門管内の小さな穴(肛門腺)の細菌感染による、肛門周囲が化膿し膿がたまることが主な原因です。肛門腺付近に傷があったり体の抵抗力が弱っていたりしていると、感染しやすくなります。
下痢が続くと発症しやすいと言われていますが、下痢とは無関係に発症することもあり、原因はよく分かっていません。
この他に、皮膚の感染によって肛門近くに膿瘍をつくる化膿性アテロームや膿皮症と呼ばれる病気もあります。
下痢などによる肛門の中のくぼみから細菌が入ります。
軽度の場合は、抗菌薬による治療もありますが、切開して膿を出すことがよいです。
痛みが続きます。また、発熱などの症状が出ることもあります。 膿がたまった状態が長期間続くとさらに悪化するので、早めの治療が望ましいです。