胃の粘膜がただれ、胃の壁が傷ついた状態を胃潰瘍といい、胃を守る粘液と胃酸の分泌量のバランスが崩れることで起こります。胃液が過剰に分泌されると粘膜を傷つけ、そのうちさらに深い筋層まで攻撃し、胃潰瘍に進行してしまいます。
症状が進むと胃に穴が空き、腹膜炎が起きる恐れもあるので、胃の痛みが2〜3日続く場合は受診してください。
出血が見られない場合は、薬による治療として、主に胃酸の分泌を抑える薬や胃の粘膜を修復する薬を服用します。
胃潰瘍は投薬治療で症状を改善しやすいですが、治療を中断してしまうと再発を繰り返して潰瘍を悪化させてしまうため、医師の指示通りに治療を続けることが大切です。
また、がん性潰瘍の場合は、投薬治療で潰瘍が治癒したとしても、胃がんが徐々に進行しますので、胃潰瘍の治療後は内視鏡検査での定期的な経過観察が必須となります。
出血を伴う場合は、まずは止血術を施行します(最初の内視鏡検査での止血処置が可能です)。
胃潰瘍が悪化し、胃に穴があいてしまっている場合は手術が必要となることもあります。
原因の多くがピロリ菌感染によるものとされており、ピロリ菌がつくり出す物質が胃の粘膜を傷つけることで胃潰瘍を発症します。
その他、痛み止めや解熱剤として使われる非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による副作用や、精神的ストレスなども原因の一部とされています。
精神的に強いストレスを受けると、自律神経の働きが乱れる場合があります。胃腸などの機能は自律神経によってコントロールされているため、ストレスが原因で胃酸が過剰に分泌され、その結果、胃潰瘍になってしまうことがあります。
このようなことから、胃潰瘍は神経質な人や几帳面な人、悩みや責任を一人で抱え込むような性格の人が発症しやすいと言われています。
胃に対して物理的ストレスを与えることも胃潰瘍の原因となり得ます。
刺激の強い香辛料などを過剰摂取したり、大量の飲酒やコーヒーは胃に負担がかかります。また、喫煙は胃粘膜の血流を低下させ、これらが胃潰瘍を引き起こすこともあります。
早食い、食べ過ぎ、夜食なども胃に負担をかけてしまいますので、意識的に気をつけましょう。
原因の多くがピロリ菌感染によるものとされており、ピロリ菌がつくり出す物質が胃の粘膜を傷つけることで胃潰瘍を発症します。 その他には、精神的ストレスによってホルモンバランスを崩し、胃酸が過剰に分泌されたり、強い香辛料や大量の飲酒やコーヒ、喫煙などで物理的に胃に負担がかかってしまい発症するケースもあります。
自覚症状がある場合、みぞおち辺りに鋭い痛みを感じることが大半です。食後に痛み始め、食べすぎると長時間痛みが続きます。もし空腹時の特に早期に痛みを感じる場合は十二指腸潰瘍の可能性が高いです。腹痛以外は胸やけ、げっぷ、食欲不振、吐き気、嘔吐、体重減少、貧血、吐血、黒色便など様々です。