胃がんは、胃のもっとも内側を覆う粘膜の細胞に発生し、内側から徐々に粘膜下層 → 固有筋層 → 漿膜(しょうまく)へと、外側に向かって広がっていきます。粘膜や粘膜下層までにとどまっているものを「早期胃がん」、固有筋層よりも深く達したものを「進行胃がん」といいます。
昨今では、胃がんは早期発見でほとんど治すことができるようになってきましたが、早い段階では自覚症状がないことが多く、かなり進行しても症状がない場合があります。定期的に検診を受けることが大切です。
がんが粘膜内にとどまっている場合は、内視鏡を使って体の内側から病変のみを切除する方法が用いられます。
がんが粘膜下層まで達している場合は、開腹手術または腹腔鏡下手術(腹部に数か所の小さな穴を開け、専用の器具やカメラを出し入れしながら行う手術)が用いられます。
胃を切除した後は、残った胃と腸をつなぎ合わせて消化管再建を行い、食べ物の通り道をつくります。
胃がんは化学療法のみで治療することは難しく、手術前後の補助療法として、抗がん剤や分子標的薬を使うケースが多くみられます。
ピロリ菌感染による慢性的な胃粘膜の炎症は、胃がんの主原因のひとつとされています。
もっとも多い原因は食生活にあるとされています。刺激の強い食べ物や、塩分の摂りすぎは、胃の粘膜を刺激して炎症を起こし、胃がんのきっかけを作ってしまうことがあります。さらに、食べ過ぎ、早食い、夜食などの食習慣も胃に負担をかけるので要注意。
その他、野菜や果物の不足、禁煙、過度な飲酒、精神的なストレスなどの生活習慣が、胃がんの原因となることも。